第1章 自尊心の性質
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SELF-ESTEEM
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自尊心(self-esteem)は心理的生存に不可欠である
生後3~4年間の親の子育てスタイルが最初の子供の自尊心の量を決定する
それ以降を対象とした研究では原因と結果が混乱している
自尊心が先か、成果が先か?
もし外的状況が自尊心を作るのであれば環境を変えれば良い
しかしそれは不可能な事が多い
例えば身長を伸ばすなど
自尊心が状況を決定する。
自尊心を改善すれば状況も改善する
自分を憎しむのをやめれば状況も良くなる
このシナリオを信じられないのなら現実の世界を正確に認識していることを褒め称える
実際には自尊心と状況は間接的に関係しているだけである
ある時点で100%自尊心を決定している外部因子が自分の思考
人生の解釈の仕方を変えることで自尊心を高めるという認知行動療法の方法
二種類の自尊心の問題
状況的な自尊心の低さ
特定の領域にのみ現れる
ある面だけ自尊心が低い場合
認知再構成法が理想的に適合する
性格的な自尊心の低さ
「自分は間違っている」という基本的なアイデンティティから始まっている
クライアントの思考を変化させるだけでは十分ではない
否定的な思考を生み出している否定的なアイデンティティに焦点を当てることを強調
治療の焦点は自己同情と中立的な関与
このような立場は拡散や視覚化の技法によって強化できる
クライアントの思考から取り組む
自分を責めたときに何を考えていたか
思考を2つに分けて外部からの声として処理する
病的な批評家(pathological critic)の概念をクライアントに伝える
この批判に特別な名前をつけてコントロールできるようにする
批判の声を人として扱うことでクライアントは外部のこととして捉え始める
健康的な声にも名前をつける
クライアントが現実的に考える能力
この能力を強調し強化→内なる批判家に反論できるようにする
クライアントの自己概念にあった名前にする
批判家の機能を探る
ポジティブな面があるので強化され続ける
批判家をなぜ使うのか、自分を守るのにどのように役立っているかをクライアントは理解しなければならない
批評家の助けを借りる重要な欲求をより健康的な方法で満たしていく方法をクライアントは学ぶ必要がある
認知の歪みを同定する
できる限り正確に定義する
最善の技法はソクラテス式の質問
1. 過度の一般化(overgeneraliation)を明らかにする質問
e.g. あなたがいつも台無しにしてしまうというのは本当ですか?
2. 誤ったレッテル貼りを明らかにする質問
e.g. Bの成績を取ってしまった。あなたが台無しにしたというのは本当ですか?
3. 客観的証拠に欠ける点を明らかにする質問
e.g. あなたが台無しにしたと人々が考える証拠はなんですか?
批評家を論破する
反論を練り上げていく
それが信じられて効果が現れるようになるまで
長所を見つける
批評家を打ち負かすのと並行して必要
クライアントの真の強さや能力を強化するプログラム
1. 真の長所や能力をリストにする
人に聞いてもいい
2. 最大の弱点はなにか
3. 弱点はしばしば侮辱的な言い方で表現されていることを指摘→中立的な表現にする
4. 長所のリストで明らかになった点を使うように働きかける
色んなところに貼るなど
繰り返し長所を指摘しなければならない
もともと権威的な人物(親)が繰り返しクライアントの価値を攻撃してきたために、クライアントの自尊心は深手を負っていることを忘れてはならない。
時間がかかる→2~4の長所に焦点を絞る最大の理由
自己受容(self-acceptance)
自尊心とは
単に自分の肯定的特徴に気付く以上のこと
自己や他者を中立的な立場で受け入れる態度
批評家を打ち負かす唯一の方法
クライアントを否定的・一方的判断から解き放ち、自分を受け入れるマントラ(呪文)を作り、新たな態度が生まれるまでそれを何度も繰り返すこと
特別な焦点の問題
1. 柔軟性に欠ける規則と「〜すべき」思考
2. 完全主義
3. 批判に対する過敏性
4. 適切な自己主張不能
健康的な声を強化する
1.拡散(defusion)
2. 対処の語りかけ(coping statements)
3. 視覚化(visualization)
4. アンカーリング(anchoring)